霊巖洞(熊本)

宮本武蔵

 雲巌禅寺は 金峰山きんぽうざんの 西麓にあり、南北朝時代(1336 〜1392年)に日本に渡来した元の禅僧・ 東陵永興とうりょえいよ が建立したと伝えられる 曹洞宗そうとうしゅうの寺です。 九州西国三 十三観音第14番霊場としても知られています。

宮本武蔵
 
 
宮本武蔵
 
 
宮本武蔵
 
 
宮本武蔵
 霊巖洞
その裏山には、晩年の5年間を熊本で過ごした 宮本武蔵みやもとむさしが、 兵法書 「五輪書ごりんのしょ」を著したと 言われる霊巌洞という洞窟があります。
霊巌洞の歴史は寺より古く、いい伝えによれば異国から観音像を運ん でいるときに舟は転覆しましたが、観音像だけは板にのって流れ着き、 霊巌洞に安置されたといいます。この洞窟には武蔵だけでなく、平安 期の歌人・ 桧垣ひがきも訪れています。 雲巌禅寺から霊厳洞に至る 岩山を削った細道には、五百羅漢が安置されており、さまざまな表情 を見せてくれます。
 
宮本武蔵
 五百羅漢
 
宮本武蔵
 五輪書
地の巻(The Book of Earth)
地の巻は、二天一流の基本的な思想や 兵法の大筋について書かれています。 この中で武蔵は兵法を修めるうえでの 文武両道の必要性と実戦において二刀 を使用することの有効性、また状況に応じ臨機応変 に対応することの大切さを説いています。

水之巻 (The Book of Water)
水の巻は太刀筋と鍛錬の方法について 三十六項目にわたり詳細に書かれてい ます。勝負に際しての心の持ち方(常 に平常心を保つこと)や身体の姿勢、 構え方など武蔵が完成させた二天一流の極意が説か れています。

火の巻 (The Book of Fire)
火の巻は実戦の場に臨んで敵に勝つた めの駆け引きについて書かれています。 状況に応じて戦術を駆使すること、 戦いにおける心理的攻撃の有効性も説か れています。吉岡一門や佐々木小次郎との決闘など 数々の実戦経験に基づく武蔵の「勝負」への思いが 込められています。

風の巻 (The Book of Wind)
風の巻は他の流派と二天一流を九項目 にわたって比較したうえで、他流派の 欠点を指摘し二天一流の特徴を明確に することで自己の流派の優秀性を説い ています。勝つためには相手を知ることがいかに大 事であるかという武蔵の考えが表れています。

空の巻 (Book of Emptiness)
空の巻は地、水、火、風の四巻で二天一流の極意、 兵法に対する考え方が表されています が、この巻では武蔵が兵法を通し生涯 をかけて辿り着いた「空」の境地が述 べられています。一点の曇りもなく迷いのない心が 真実の「空」であり兵法の真髄であることが説かれ ています。

 
宮本武蔵
 佐々木小次郎との試合で使った木刀
2メートルぐらいの長さがありそうだ?



武蔵は生前の遺言によって主君の参勤交代を見守るため、
甲冑かっちゅうを帯し 六具ろくぐに 身を 固め立見たちみの姿で 武蔵塚 に葬られた