帯解寺
帯解寺
約千年前のこと、文徳天皇の
御妃染殿
皇后は永い間お子様が生まれず、大変お悩
みの折、ある夜不思議な夢をご覧になった。
都の南一里(約4km)ほど先にある寺の地蔵尊
に、帯を巻き付け、その帯を解いて皇后の
体に結び解けば、ご懐妊、安産は間違いない
という夢である。天皇はさっそく使者をたて、
夢のお告げの場所へ走らせると、まさにそこ
には寺があり、地蔵尊がまつられていた。
使者が夢のお告げどおりにして持ち帰った
帯を、皇后が腹帯にされ、お解きになると、
間もなくご懐妊になり、無事に皇子を出産
されたという。この皇子が後の清和天皇で
ある。以来、この寺は帯解寺という名に改め
られ、現在も本尊としてこの霊験あらたかな
地蔵尊(重要文化財)がまつられている。