生島足島神社
長野県宝 生島足島神社本殿内殿
長野県文化財保護条例第四条の規定により左記のとおり指定します。
記
1、種 別 建 造 物
1、名 称 生島足島神社本殿内殿
1、所 在 地 上田市大字下之郷字中池西701番地
1、指定年月日 平成十年十月二十六日
生島足島神社の
歴史は非常に古く、平安時代に制定された
延喜式に
「生嶋足嶋神社二座名神大社」として記載されています。戦国時代には武田氏や
真田氏が信仰を寄せ、江戸時代には歴代上田藩主の厚い
庇護を受けてきた
由緒ある神社です。
神社境内には、池に囲まれた小島の上に、
権現造の
本社(昭和十六年)が北面して
建ち、それに正対するように
摂社
諏訪社本殿(上田市指定文化財)が建てられています。
本殿内殿は、かつては屋外に建てられていましたが、十八世紀後期から十九世紀
初期の時期に覆屋としての本殿が建てられ、屋内の内展となりました。
現在の内殿の規模は、
桁行(正面)
柱間三間(4.82m)、
梁行(側面)柱間二間
(310m)で、屋根は
切妻造の
厚板張り、(当初は
柿葺)です。
内部は、向かって左側
二間が内陣、右側一間が外陣となっています。外陣は、諏訪大神が半年間、生島足島
両神にご飯を炊いて奉ったところと伝えられ、その伝承を受け継ぐ
御籠祭と
呼ばれる
神事が現在も行われています。内陣の周囲は大部分が板壁で内外陣境に片引き
板戸の潜り戸があります。
正面中央柱間には片引き戸の戸口がありますが、当初は
窓であったと推定されます。また、西妻(右側面)は、現在は壁も戸もない開放
状態ですが、当初は
向拝が存在したと推定されます。床は、内陣・外陣とも
土間となっており、内陣の土間が本神社の御神体とされています。これは、
万物を育む大地を神として崇める最も古い神社の形式を伝えるものです。
主要な部材は欅材で、
表面は手斧仕上げの
上を丁寧に削り磨いています。
外面した部材の一部には朱などで彩色した跡が残ります。軸部は、
粽・
礎盤・
大瓶束
等を用いた室町時代の様式で、その特徴から建築年代は、天文年間(1522〜
〜1555)頃と推定されます。
保存上の注意
●指定建造物の周囲では喫煙、たき火等を禁ずる。
●許可なく現状変更することを禁ずる。
平成十一年三月 長野県教育委員会 上田市教育委員会